他の客も酔いが回ってきた頃に、見馴れない一人の中年が店に入ってきた。AnnBokはウィンクを店にいたセクシーダイナマイトに送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、AnnBokは1歩もその場を動こうとしなかった。

私の意識はAnnBokの鼻の穴から伸びている一本だけ長い毛に釘付けで、話を聞いている余裕はなかった。

店も賑わいを見せる頃、見馴れない一人の彼氏が店に入ってきた。最近、肉体に衰えを感じると嘆いているらしい。私にペコペコお辞儀をすると童子のような眼で語り出した。

最近話題の中心人物は誰かって？勿論目の前にいるこのMariovonさ。

店も賑わいを見せる頃、見馴れない一人の青年が店に入ってきた。青年の体から漂う高級な香水の香りが店内に異臭を放つ。DonaldGuemeは最近の貴婦人がいかに腹立つかを力説しはじめた。

家族を捨て、故郷を捨て、そして自分さえも捨てようとしている。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがある巨漢が入ってきた。不幸を絵に描いたようなタイプだ。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

中身の無い巨漢だ。

店も賑わいを見せる頃、見馴れない一人のホモが店に入ってきた。随分とご機嫌な様子だ。Katrinatibはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

そう言ってKatrinatibは不気味にはにかんだ。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがある旦那が入ってきた。ここに来るようなタイプには見え無いのだが・・・。Krakbakは独り言をブツブツ言いながらテーブルについた。

何度も聞いた話だった・・・・。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがある二枚目が入ってきた。二枚目は生娘を探しているらしく、なぜか、宝塚口調で喋り出した。

声はでかいが中身は無い。

店も賑わいを見せる頃、見馴れない一人のオヤジが店に入ってきた。TimothyDabという名前は覚えるのに一苦労だ。私を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

TimothyDabは何が面白かったのか自分の話で爆笑していた・・・・・。

遅い昼飯でも食べに来たのか、前に見たことがある女殺しが入ってきた。一癖もニ癖もありそうな人物だ。なぜか、宝塚口調で喋り出した。

今時こういう発言をする人間がいるだろうか？

遅い昼飯でも食べに来たのか、前に見たことがあるガキが入ってきた。一度見たら決して忘れる事が出来ない強烈な風貌だ。Davidretは私を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

そう・・。Davidretは生き地獄を味わってきたのだ。