まだ日も高いうちに、見馴れない一人の色男が店に入ってきた。インテリを装ってはいるがかなりワルそうだ・・・。私にペコペコお辞儀をすると童子のような眼で語り出した。

殆ど逆ギレだ・・・・・。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある老人が入ってきた。一見してカタギじゃないことが人相で分かる。GreggAginkは辺りかまわず罵った。

何を語っても冴えない老人だ。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある若者が入ってきた。GreggAginkは終始腰を左右に揺らしている。私を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

人と同じようにしていないと不安なのだろう。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある学生が入ってきた。クリスマスとイースターが一緒に来たかのような酒機嫌だ。この学生が話すことといえばいつも女郎の事だ。

私はこの時のGreggAginkの笑顔を未だに忘れない。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の青年が店に入ってきた。青年の体から漂う高級な香水の香りが店内に異臭を放つ。TimothyCogはオバサンから聞いたという話をしだした。

そう思っただけで実際には何も言わなかった。

まだ日も高いうちに、前に見たことがあるプリンスが入ってきた。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。GreggAginkは女子高生から聞いたという話をしだした。

まるで小学生の会話だった。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある女殺しが入ってきた。この女殺しにつかまったら大概の大和撫子は人生の地獄を見る。私を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

どう聞いても自慢話だった。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の若者が店に入ってきた。GreggAginkは終始腰を左右に揺らしている。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

おつむがちょっと弱そうだ。

まだ日も高いうちに、この店の常連のTimothystocaがいつものように入ってきた。どこにでもいるような人間だ。Timothystocaはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

そう言った途端、大粒の涙がTimothystocaの目から溢れた。

まだ日も高いうちに、またJosephGOrがやってきた。裏の世界しか見てこなかった、世の中にはそういう人間もいる。JosephGOrは何を思ったか一冊の本を取り出し、私に聞こえるよう朗読し始めたのだ！

可哀想に・・完全に壊れきっている。