店も賑わいを見せる頃、前に見たことがある青年が入ってきた。バクチで散々負けたらしくかなり荒れているご様子だ。得意万面で初恋の話をしだした。

そう言って口の周りをゆっくり舐め回した。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがある二枚目が入ってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。得意万面で初恋の話をしだした。

人と同じようにしていないと不安なのだろう。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがある老人が入ってきた。一見してカタギじゃないことが人相で分かる。何を思ったのかマダムの話しをはじめた。

私はこの時のMichaelknipsの笑顔を未だに忘れない。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがある女殺しが入ってきた。一癖もニ癖もありそうな人物だ。CharlieZexはスラム街のど真ん中で聞いたという儲け話を始めた。

世も末だ・・・。

店も賑わいを見せる頃、見馴れない一人の若者が店に入ってきた。Richardbialfは終始腰を左右に揺らしている。Richardbialfは私を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

まるで小学生の会話だった。

店も賑わいを見せる頃、見馴れない一人の中年が店に入ってきた。RobertErabyはウィンクを店にいた美女に送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、RobertErabyはいかに美女というものが素晴らしいかを主張し始めた。

どう聞いても自慢話だった。

店も賑わいを見せる頃、見馴れない一人の坊主が店に入ってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。私のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

おつむがちょっと弱そうだ。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがあるオヤジが入ってきた。無職仲間の間じゃそうとうの実力者だそうだ。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

そう言った途端、大粒の涙がVictorhumの目から溢れた。

店も賑わいを見せる頃、見馴れない一人の旦那が店に入ってきた。この前新聞に載っていた旦那だ。Harryfekは何を思ったか一冊の本を取り出し、私に聞こえるよう朗読し始めたのだ！

この旦那の親の顔が見てみたい・・・・・・。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがあるダンディが入ってきた。今夜は最悪の気分だ。DeweyClibEは今の仕事の無職を辞めたいというような話をしてきた。

DeweyClibEは自分の存在を誰かに知って欲しいのだ。