他の客も酔いが回ってきた頃に、何回かこの店を利用している坊主が入ってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

・・泣きたいだけ泣くがいい。今宵の酒は悲しい酒だ。

他の客も酔いが回ってきた頃に、見馴れない一人の男性が店に入ってきた。JosephNutは数人の愛人をはべらせ上機嫌そうにだ。何を思ったのかマダムの話しをはじめた。

だがその目元は全く笑っていなかった・・・。

他の客も酔いが回ってきた頃に、前に見たことがある貴公子が入ってきた。Thomasgrawnという名前は覚えるのに一苦労だ。Thomasgrawnはつっけんどんな態度でこう言った

なかなか話し上手な貴公子だ。

他の客も酔いが回ってきた頃に、前に見たことがある旦那が入ってきた。この前新聞に載っていた旦那だ。Andrewdoownは今の仕事の無職を辞めたいというような話をしてきた。

・・・異次元の何かと交信しているに違いない。

他の客も酔いが回ってきた頃に、前に見たことがある旦那が入ってきた。ここに来るようなタイプには見え無いのだが・・・。VernonWEWは現地の人間でも分からないのでないかという癖のある訛りでがなりだした。

この旦那は金の話しかしてこない。

他の客も酔いが回ってきた頃に、前に見たことがある野郎が入ってきた。この辺りでいい噂は聞かない・・・。TerryMotは辺りかまわず罵った。

野郎のこの言葉がのちのち何人もの人々を苦しめることになろうとは、本人でさえも気づいていなかったのだろう。

他の客も酔いが回ってきた頃に、前に見たことがある英雄が入ってきた。腕に恋人の名前が彫ってあるらしい。・・別れた恋人のだが。Roberttoolfは思い出したかのようにこう言い出した。

そう言いながらも目線は先ほど店に入ってきた大和撫子に釘付けである。

他の客も酔いが回ってきた頃に、見馴れない一人の御曹司が店に入ってきた。腕に恋人の名前が彫ってあるらしい。・・別れた恋人のだが。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

何を語っても冴えない御曹司だ。

他の客も酔いが回ってきた頃に、何回かこの店を利用しているミスターが入ってきた。自分の事を素晴らしくモテるタイプだと勘違いしている。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

何故、本当の自分を偽るのだろうか。

他の客も酔いが回ってきた頃に、前に見たことがある二枚目が入ってきた。二枚目は美人を探しているらしく、Rollanddrishはスラム街のど真ん中で聞いたという儲け話を始めた。

そう言ったRollanddrishの表情は酷く疲れていた。